【科学機器業界のメーカー兼商社15選】特徴・仕事内容・各社の違いをわかりやすく解説

本記事は公開情報および科学機器人材センター(KJC)が保有する求人票・過去の支援実績をもとに独自に作成したものです。
内容の正確性・完全性を保証するものではなく、個別の年収・採用条件・労働環境は企業や求人により異なります。詳細は個別のキャリア相談でご確認ください。

科学機器業界のメーカー兼商社は、自社で製品を開発・製造しながら、国内外のメーカーの製品も仕入れて研究や医療、ものづくりの現場に届ける「つくる力と届ける力をあわせ持つ会社」です。年間数千名のキャリア相談に対応し、200社超の人事責任者との業界ネットワークを持つ科学機器人材センター(以下KJC)が、メーカー兼商社の特徴と仕事内容、主要15社の特徴をわかりやすく整理しました。

この記事でわかること

①メーカー兼商社の特徴と、メーカー・商社・外資系企業との違い

②メーカー兼商社にはどんな仕事があるのか

③主要15社の特徴と、3つのタイプごとの働き方の違い

この記事を書いた人
KJC(科学機器人材センター)編集部:科学機器・分析機器業界に特化し、理系・文系向けキャリア支援事業を運営。

メーカー兼商社への転職を考えている方へ

KJCは科学機器業界のキャリアに関する相談窓口です。業界内の口コミや採用の一次情報をもとに、あなたのキャリアの可能性を一緒に整理します。無料でご利用いただけます。

目次

記事監修者

平田一茂(ひらた かずしげ)

株式会社ジコウ 代表取締役 / 科学機器人材センター(KJC)設立者

早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーション・Indeed Japan(Enterprise Sales Manager)・リープラジャパンを経て2021年にジコウを創業。科学機器業界唯一の専門エージェントを設立し、年間数千名のキャリア相談に対応。業界内での採用担当者向けセミナーを積極的に開催し、200社超の人事責任者との業界ネットワークを構築。九州大学 非常勤講師(2021年〜)。文部科学省 アントレプレナーシップ推進大使。

結論:メーカー兼商社は「つくる力と届ける力をあわせ持つ会社」

科学機器業界のメーカー兼商社は、自社ブランドの製品を開発・製造・販売する「メーカー」の顔と、国内外のメーカーの製品を仕入れて届ける「商社」の顔の両方を持つ会社です。研究者の困りごとを聞き取り、自社製品と他社製品を組み合わせて提案したり、ときには新しい製品として形にしたりしながら、研究の現場を支えています。

メーカー兼商社の特徴

メーカー兼商社には、メーカーや商社とは異なる特徴が大きく3つあります。

自社製品と他社製品を組み合わせて提案できる:
自社で開発・製造した製品に加えて、国内外のメーカーの製品も扱えるため、お客様の目的や予算に合わせて幅広い選択肢から提案できます。自社製品だけ、他社製品だけに縛られないのが、メーカー兼商社ならではの強みです。

現場の声を製品づくりに活かせる:
商社として研究者と日々向き合う中で聞いた「もっとこうできたら」という声を、自社製品の開発や改良に直接つなげられます。もともと商社として始まり、研究者の悩みを解決する自社製品を生み出してメーカーへと事業を広げてきた会社もあります。

販売店と連携し、導入後まで支える:
多くのメーカー兼商社は、全国の理化学機器の販売店(代理店)と協力しながら製品を届けています。導入後の修理や点検、消耗品の供給まで担い、研究室と長く付き合っていく会社が多いのも特徴です。

15社は「3つのタイプ」に分けると理解しやすい

この記事で紹介する15社は、扱う製品の幅と主な役割によって、次の3つのタイプに分けると全体像をつかみやすくなります。どのタイプにも、それぞれ異なる魅力があります。

タイプ1:研究用品を幅広く届ける総合サプライヤー
研究室で使う器具や消耗品、機器を、自社製品と他社製品をあわせた幅広い品ぞろえで届けるタイプです。研究に必要なものをまとめて支える「研究室の頼れる調達窓口」として、多くの研究者や販売店と付き合います。

タイプ2:研究室の設備・汎用機器をつくるラボ設備メーカー
実験台などの研究施設の設備や、試料を乾かす乾燥機、液体を混ぜる撹拌機など、どの研究室にもある汎用的な機器を手がけるタイプです。研究の「場」と「道具」をつくり、研究者が実験に集中できる環境を支えます。

タイプ3:特定分野の技術を深める専門メーカー
ガスの流れる量を測る流量計、水質の簡易検査、タンパク質やDNAを大きさごとに分ける電気泳動、レーザーなどの光技術といった、特定の技術分野に強みを持つタイプです。自社開発の製品と仕入れた製品の両方で、その分野の研究者や技術者を支えます。

【掲載企業の選定について】
本記事で紹介する15社は、科学機器業界における主要なメーカー兼商社の全体像をお伝えするため、KJCで取引・接点のある企業や、求職者からの関心が高い代表的な企業をピックアップして掲載しています。

メーカー兼商社にはどんな仕事がある?

メーカー兼商社には、製品を届ける仕事に加えて、製品を生み出す仕事や、届けた後を支える仕事など、さまざまな職種があります。

営業(提案営業・ルート営業・代理店営業)

メーカー兼商社の営業のスタイルは、主に次の3つです。

提案営業:
大学や企業の研究者を訪問し、研究の課題に合わせて自社製品や他社製品を組み合わせて提案する仕事です。研究施設の新設や改修のように、設計から導入まで長い期間をかけて進める案件を担当することもあります。

ルート営業:
すでに取引のある研究室や販売店を定期的に訪問し、見積もりや受注のフォロー、新製品の紹介を通じて関係を深める仕事です。お客様と長く信頼関係を築いていくことが求められます。

代理店営業:
メーカー兼商社の製品は、販売店(代理店)を通じてお客様に届けられることも多くあります。代理店の担当者と一緒にお客様を訪問したり、製品の勉強会を開いたりして、代理店と協力しながら販売を進めます。

技術系の仕事(サービスエンジニア・アプリケーションサポート)

サービスエンジニア:
お客様のもとや自社のサービス拠点で、機器の設置や点検、修理を担う仕事です。機器が止まるとお客様の研究も止まってしまうため、トラブルを防ぎ、素早く復旧させる大切な役割です。

アプリケーションサポート:
製品の使い方や測定方法をお客様に説明したり、デモンストレーションを行ったりして、営業を技術面から支える仕事です。研究室で実験や分析をしてきた経験がそのまま活きる職種です。

研究開発・商品企画の仕事

自社製品を持つメーカー兼商社では、新しい製品を生み出す研究開発や商品企画の仕事もあります。新しい測定項目の企画や試作、機械・電気・ソフトウェアの設計、研究者のアイデアを形にする商品企画など、会社によって中身はさまざまです。少人数のチームで、企画から設計、製品化までを一貫して担う会社も多く、自分が関わった製品が研究の現場で使われる様子を実感しやすい仕事です。海外の新しい製品を見つけて日本に紹介する、商社ならではの企画の仕事もあります。

営業を支える仕事(営業事務・受発注・物流)

見積書の作成や受発注の処理、お客様からの問い合わせ対応などで、営業の活動を支える仕事です。多くの商品と取引先を扱う会社では、商品の発注や在庫の管理、物流センターから素早く届ける仕組みづくりも大切な仕事です。Webやカタログを使って製品の魅力を伝える販促の仕事もあります。

「自分の経験がメーカー兼商社で活かせるか知りたい」という方へ

KJCは業界の採用担当者と日常的に接点を持っており、求人票には出てこない採用の実態をお伝えできます。まずはご自身の経験やこれまで関わった商材・機器を棚卸しするところから始めましょう。

【タイプ1】研究用品を幅広く届ける総合サプライヤー 5選

研究室で使う器具や消耗品、機器を幅広くそろえ、研究に必要なものをまとめて届ける5社を紹介します。

アズワン株式会社

1933年に創業し、大阪に本社を置く研究・実験用品の会社です。実験器具や科学機器、研究用の消耗品、医療・介護用品など約600万点の商品を扱い、オンラインストアも活用しながら、大学・研究機関から製薬・食品・化学メーカーまで、研究室に必要なものを素早く届ける仕組みと、研究室の立ち上げや備品の一括調達などの支援で研究者を支えています。

(関連記事:「【アズワン株式会社への転職】中途採用の実態・年収・選考対策を完全解説」)

東京硝子器械株式会社

1958年に設立され、東京・文京区に本社を置く理化学器械器具の総合卸です。ビーカーやフラスコなどのガラス器具から、試料を乾かす乾燥器などの汎用機器、安全用品まで、国内外の多くのメーカーの商品を1962年から続く総合カタログで販売店に届けるほか、理化学・医療用のガラス器具や薬品に強いフッ素樹脂製品の加工も手がけています。

(関連記事:「【東京硝子器械株式会社への転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

株式会社サンプラテック

1960年に大阪で創業し、1979年に日本で初めてTPX®という樹脂を実験器具に使ってガラス器具に代わる製品を生み出した、プラスチック製の理化学機器のメーカーです。約1,300点のボトル・容器や、細胞を生きたまま運ぶ容器「iP-TEC®」などの自社製品に、他社メーカーの製品もあわせて、全国の販売店を通じて研究現場に届けています。

(関連記事:「【株式会社サンプラテックへの転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

キコーテック株式会社

1974年に大阪で設立され、医療や食品、環境などに関わるライフサイエンス(生命科学)分野の研究を支えてきた会社です。国内約190社のメーカーの研究機器・試薬の販売に加え、日本で手に入りにくい海外製品の自社輸入や、特注のガラス器具・自動化システムのオーダーメイド、複数メーカーの機器の点検・修理の窓口をまとめる「マルチベンダーサービス」まで手がけています。

(関連記事:「【キコーテックへの転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

アドバンテック東洋株式会社

1961年に設立され、東京・千代田区の内幸町に本社を置く会社です。「ADVANTEC」ブランドの分析用ろ紙や、液体に含まれる細かな粒子をこし取る膜状のフィルター「メンブレンフィルター」、試験紙に加え、純水製造装置や乾燥器・電気炉などの科学機器を、研究・分析から製薬・食品・半導体の現場まで届け、研究施設の設計施工も手がけています。

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【タイプ2】研究室の設備・汎用機器をつくるラボ設備メーカー 5選

研究施設の設備や、どの研究室にもある汎用的な機器を手がけ、研究の「場」と「道具」を支える5社を紹介します。

ヤマト科学株式会社

1889年に医薬用ガラスの卸商として創業した、130年以上の歴史を持つ理化学機器のメーカーです。試料を乾かす乾燥機(オーブン)や、高速で回転させて試料の成分を分ける遠心分離機、細胞や微生物を一定の温度で育てるインキュベーターなど、研究の基礎を支える機器を、大学・研究機関や製薬・食品・化学メーカーに届けています。

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株式会社ダルトン

1939年に設立され、東京・築地に本社を置く、研究施設の「場づくり」を支えるメーカーです。研究室の実験台や、有害なガスを外へ逃がしながら安全に実験できる「ドラフトチャンバー」などの設備から、粉を砕いたり混ぜたりする粉体機械まで手がけ、大学の新しい研究棟の建設から既存施設のリノベーションまで、設計・施工を含めて支えています。

(関連記事:「【ダルトンへの転職】中途採用の実態・年収・選考対策を完全解説」)

東京理化器械株式会社

1955年に設立され、「EYELA(アイラ)」ブランドで知られる理化学機器のメーカーです。液体を減圧しながら温めて溶媒を蒸発させ、試料を濃くする「ロータリーエバポレーター」や、装置に一定温度の冷却水を送り続ける「チラー」など、15製品群・約600機種を開発から製造・販売・修理まで一貫して手がけ、全国の研究室を支えています。

(関連記事:「【東京理化器械株式会社への転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

オリエンタル技研工業株式会社

1978年に創業し、東京・千代田区に本社を置く、研究施設・設備の総合エンジニアリング企業です。ドラフトチャンバーをはじめとする研究設備機器の開発・製造から、研究施設の設計、老朽化した施設のリノベーションや移設までを一貫して手がけ、「ひらめきの瞬間をつくる。」をパーパスに、研究者が研究に集中できる環境づくりを支えています。

(関連記事:「【オリエンタル技研工業株式会社への転職】中途採用の実態・年収・選考対策を完全解説」)

IKAジャパン株式会社

1910年にドイツで創業したIKAグループの日本法人として、1999年に大阪・東大阪で設立されました。容器の中で磁石を回して液体を混ぜる「マグネットスターラー」や、試料を細かく砕いて均一に混ぜる「ホモジナイザー」などのラボ機器を中心に、生産現場向けの混合装置まで、日本の研究開発や品質管理の現場に届けています。

(関連記事:「【IKAジャパンへの転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

【タイプ3】特定分野の技術を深める専門メーカー 5選

一つの技術分野に強みを持ち、その分野の研究者や技術者を深く支える5社を紹介します。

コフロック株式会社

1949年に創業し、京都に本社と工場を構える流体計測制御機器のメーカーです。流れるガスの量を正確に測り、決めた量に自動で調整する「マスフローコントローラ」などの流量計や、空気から窒素を取り出すガス発生装置を、お客様ごとの条件に合わせた受注生産で手がけ、半導体・分析機器メーカーから食品・養殖の現場まで約6,500社と取引しています。

(関連記事:「【コフロック株式会社への転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

株式会社共立理化学研究所

1952年に創業し、横浜に本社を置く水質の簡易分析のメーカーです。検査したい水をチューブに吸い込むだけで、色の変化から成分の濃さがわかる手のひらサイズの検査器具「パックテスト®」を1973年に発売し、約70項目まで広げながら、官公庁の水質調査や工場の排水管理、学校の環境学習まで、幅広い現場で使われています。

(関連記事:「【株式会社共立理化学研究所への転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

アトー株式会社

1964年に設立され、東京・台東区に本社を置くライフサイエンス研究向けの機器・試薬のメーカーです。電気泳動の装置と、実験に使うゲルや試薬の両方を自社で開発し「電気泳動のATTO」として研究者から評価されてきたほか、化学反応などで生じるごくかすかな光を捉える「微弱発光計測」の技術にも約30年取り組んでいます。

(関連記事:「【アトーへの転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

株式会社東京インスツルメンツ

1981年に東京で設立され、レーザーや分光装置など光技術の製品を扱う「研究開発型の技術商社」です。光を波長ごとに分けて物質の性質を調べる「分光器」や研究用レーザーなど、海外の最先端製品をいち早く日本に紹介する一方、光を当てて物質の成分や構造を調べる「共焦点ラマン顕微鏡」を自社で開発し、大学や国の研究機関を支えています。

(関連記事:「【東京インスツルメンツへの転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

株式会社バイオクロマト

1983年に神奈川・藤沢で理化学機器の専門商社として創業し、研究者の声から生まれた自社製品の開発を通じて、メーカーへと事業を広げてきた会社です。液体の試料を短時間で安全に濃くする濃縮装置「コンビニ・エバポ」などで文部科学大臣表彰を受け、17名の少人数のチームで、20か国以上に自社製品を届けています。

(関連記事:「【バイオクロマトへの転職】応募前に確認したいポイントまとめ|選考対策・年収・働き方」)

平田

メーカー兼商社は、研究者の困りごとを商社として聞き取り、メーカーとして形にできるのが強みです。社名は知られていなくても、その製品は研究室のあちこちで使われています。

タイプによる働き方の違い

同じメーカー兼商社でも、タイプによってお客様や製品、働き方が異なります。どれが良い・悪いではなく、自分に合うかどうかで考えることが大切です。

顧客と製品の違い

タイプ1(研究用品の総合サプライヤー):
主なお客様は、大学・研究機関や製薬・食品・化学メーカーの研究者に加えて、理化学機器の販売店です。ガラス器具や消耗品から機器まで、扱う品目がとても多いのが特徴です。

タイプ2(ラボ設備メーカー):
主なお客様は、大学・研究機関や企業の研究所の研究者、施設の担当者です。実験台などの研究施設の設備や、乾燥機・撹拌機などの汎用機器を、研究室の環境づくりとあわせて提案します。

タイプ3(特定分野の専門メーカー):
主なお客様は、特定の分野の研究者や技術者で、半導体メーカーや官公庁、国の研究機関など、会社ごとにさまざまです。流量計や水質検査、電気泳動、光技術など、専門性の高い製品を深い知識とともに届けます。

働き方の違い

タイプ1:
既存のお客様や販売店を定期的に訪問するルート営業の要素が強く、幅広い商品知識を少しずつ積み上げていく働き方です。多くの商品を正確に扱う受発注や物流の仕事も、事業の大切な柱になっています。

タイプ2:
研究施設の採寸や施工の立ち会い、機器の据え付け・修理など、お客様の研究室に足を運ぶ場面が多い傾向があります。研究施設の新設や改修のように、設計から完成まで長い期間をかけて進めるプロジェクト型の仕事もあります。

タイプ3:
少人数の会社が多く、一人ひとりが営業から技術的な説明、企画まで幅広い役割を担う傾向があります。海外のメーカーや代理店とやりとりする会社もあり、一つの分野の専門家として長く頼られる存在を目指せる働き方です。

なお、実際の働き方は会社や職種、配属先によって大きく異なります。応募の際は、募集要項や面接で確認しておきましょう。

平田

キャリア相談では「メーカーと商社、どちらが合うかわからない」という声をよく聞きます。メーカー兼商社なら両方の経験を積めるため、迷っている段階の方にこそ知ってほしい選択肢です。

KJC編集部注
上記は公開情報・KJCが保有する求人票等をもとにした一般的な傾向です。KJCは業界の採用担当者と日常的に接点を持っており、各社の働き方の実態や職種ごとの違いといった、公開情報だけでは得られない一次情報をご相談時にお伝えしています。

未経験からメーカー兼商社を選ぶときのポイント

メーカー兼商社には、文系出身や業界未経験から入社して活躍している人も多くいます。未経験から会社を選ぶときは、次の2つのポイントを押さえておきましょう。

自分の経験と近い「職種」から選ぶ

メーカー兼商社では、職種によって求められる経験が大きく異なります。自分のこれまでの経験が、どの職種で活かせるかから考えるのがおすすめです。

法人営業の経験がある人:
業界を問わず、お客様と信頼関係を築いてきた経験は、提案営業やルート営業で活かせます。形のある商材を扱ってきた経験は、特に評価されやすい傾向があります。

機械・設備の保守やメンテナンスの経験がある人:
機器の不具合に向き合ってきた経験は、サービスエンジニアの仕事で直接活かせます。

研究室や品質管理で実験・分析をしていた経験がある人:
装置を「使う側」の目線を持っていることは、アプリケーションサポートや研究開発の仕事で大きな強みになります。

建築設備や施工管理の経験がある人:
研究施設の設計・施工を手がけるタイプ2の会社で、現場をまとめる力として活かせます。

受発注や事務の経験がある人:
多くの商品と取引先を正確に扱ってきた経験は、営業事務や発注、物流の仕事で活かせます。

未経験でも挑戦しやすい会社の見分け方

未経験者を積極的に受け入れている会社は、採用ページなどで次のような情報を公開していることがあります。

  • 営業社員の文系・理系の比率や、異業種から入社した社員のインタビュー
  • 入社後の研修の内容(OJT、メンター制度、資格取得の支援など)
  • 応募条件で「業界経験は不問」としている職種や、未経験者向けのキャリアコース

今回紹介した15社の中にも、活躍する営業社員のほとんどが文系出身・未経験からスタートしていることや、営業職の社員の約7割が文系出身であることを公開している会社があります。気になる会社があれば、個別の企業研究記事もあわせて参考にしてください。

平田

少人数の会社が多いメーカー兼商社の面接では、「担当外の仕事にも自分から関わった経験」が強みになります。小さなことでも具体的に話せるよう準備しておきましょう。

KJC編集部注
上記は公開情報・KJCが保有する求人票等をもとにした一般的な傾向です。KJCは業界の採用担当者と日常的に接点を持っており、未経験者を積極的に採用している会社や、選考で重視されるポイントといった、公開情報だけでは得られない一次情報をご相談時にお伝えしています。

メーカー兼商社や科学機器業界への転職をご検討の方へ

KJCは科学機器業界に特化したキャリアの相談窓口です。求職者・採用担当者双方と日常的に接点を持ち、業界内の口コミや一次情報を集めています。あなたのこれまでのキャリアを丁寧にヒアリングし、どのタイプの会社・どの職種で活かせるかを一緒に整理します。転職を決めていない段階でも構いません。

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まとめ

科学機器業界のメーカー兼商社は、自社で製品を開発・製造しながら、国内外のメーカーの製品も届ける「つくる力と届ける力をあわせ持つ会社」です。今回紹介した15社は、研究用品の総合サプライヤー、ラボ設備メーカー、特定分野の専門メーカーの3つのタイプに分けられ、それぞれに異なる魅力があります。

  • メーカー兼商社は、自社製品と他社製品を組み合わせて提案でき、現場の声を製品づくりに活かせる
  • 仕事は営業だけでなく、技術系、研究開発・商品企画、営業を支える仕事など幅広い
  • タイプによって、お客様・製品・働き方が異なる
  • 未経験から選ぶときは、自分の経験と近い「職種」から考えるのがおすすめ

気になる会社が見つかったら、各社の企業研究記事で、事業内容や働き方を詳しく確認してみてください。

よくある質問(FAQ)

Q. メーカー兼商社と、メーカー・商社・外資系企業の違いは何ですか?

メーカーは自社で製品を開発・製造し、自社製品を中心に提案します。商社は、国内外の多くのメーカーの製品を扱い、お客様に合わせて最適な製品を選んで提案します。外資系企業は、海外の本社がつくった製品を日本で販売・サポートする会社が多くあります。メーカー兼商社は、自社製品の開発・製造と他社製品の販売の両方を手がけ、メーカーと商社の両方の強みを持つのが特徴です。ただし、どちらの比重が大きいかは会社によって異なります。

Q. メーカー兼商社の年収はどのくらいですか?

KJC調べでは、メーカー兼商社の年収レンジは次のような傾向です。

20代・未経験〜浅い経験400〜480万円
30代・実務経験あり480〜600万円
40代以降・マネジメント層600〜800万円

※年収は、あくまでも目安です。会社の規模や職種、地域によっても異なるため、詳しいレンジはKJCのキャリア相談でご案内します。

Q. 文系・未経験でもメーカー兼商社に転職できますか?

できます。研究開発や設計などの技術職では専門的な経験が求められることが多いものの、営業職では業界を問わず法人営業の経験があれば応募できる会社が多くあります。入社後の研修やOJTで製品の知識を身につけられる会社も多くあります。KJCでは文系出身や業界未経験の方のご相談も多く受けていますので、ご自身の経験がどこで活きるかを一緒に整理できます。

Q. メーカー兼商社では、メーカーと商社のどちらの経験が積めますか?

会社や職種によって比重は異なりますが、多くの会社で両方の経験を積める可能性があります。たとえば営業職では、自社製品の深い知識を身につけながら、他社製品を組み合わせた提案も経験できます。自社製品の開発に、お客様から聞いた声が活かされる場面に立ち会えることもあります。応募する会社が、自社製品と他社製品のどちらを中心に扱っているかを確認しておきましょう。

Q. 少人数の会社と規模の大きい会社、どちらを選ぶべきですか?

一人ひとりが幅広い役割を担い、自分の仕事が会社の成長に直結する実感を得たい人は、少人数の会社が向いています。一方、役割や研修の仕組みが整った環境で、じっくり専門性を身につけたい人は、規模の大きい会社が向いています。どちらにも異なる魅力があるため、自分がどんな働き方をしたいかから考えてみましょう。

Q. 科学機器業界への転職、どこに相談すればいいですか?

KJCは科学機器業界に特化したキャリアの相談窓口です。求職者・採用担当者双方と日常的に接点を持ち、業界内の口コミや採用の一次情報を継続的に集めています。「転職すべきか迷っている」という段階から、あなたのキャリアの可能性を一緒に整理します。相談は無料です。

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平田一茂(ひらた かずしげ)

株式会社ジコウ 代表取締役 / 科学機器人材センター(KJC)設立者

早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーション・Indeed Japan(Enterprise Sales Manager)・リープラジャパンを経て2021年にジコウを創業。科学機器業界唯一の専門エージェントを設立し、年間数千名のキャリア相談に対応。業界内での採用担当者向けセミナーを積極的に開催し、200社超の人事責任者との業界ネットワークを構築。九州大学 非常勤講師(2021年〜)。文部科学省 アントレプレナーシップ推進大使。

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